総質問数:91問 (四月箱は除いています)
*マッドネス
初歩的な質問で申し訳ありません。ファルケンラスの後継者のコストなどで床下からをマッドネスコストで唱える場合、インスタントタイミングで捨てた床下からを唱えることができますか?SOIのリリース週でしたので、マッドネスと変身、そしてSOIのカードに関する質問が多く見受けられました。その中でも、マッドネスについての質問は、キーワード能力としては再録ですが、スタンダード環境にあったのが相当前だったこともあり、理解しづらいプレイヤーもそれなりにいたようです。リリースノートの項目も参考にして下さい。
マッドネス(CR702.34)は、「捨てるなら、このカードは捨てられるが、このカードを墓地に置く代わりに追放する」ことに置き換えます。これは置換効果です。以前は墓地に直接置くことを選べましたが、現在のマッドネスは強制的に追放されます。このため、効果の最中にマッドネスを持つカードを捨てた場合、墓地の枚数が変わらないことになります。次の質問を見てみましょう。
マッドネスについて質問です。リリースノートにもありましたが、墓地4枚の状態で、オリジンジェイスの能力を起動し、マッドネス持ちカードを捨てても、オリジンジェイスは変身しないということでしょうか。解決順番を教えて下さい。《ヴリンの神童、ジェイス》の起動型能力の解決中に、カードを捨て、そして墓地の枚数を確認します。つまり、捨てる前に墓地の枚数が4枚であり、マッドネスを持つカードを捨ててしまうと、それは追放領域に置かれてしまいます。そうすると、墓地の枚数は4枚のままなので、《ヴリンの神童、ジェイス》は条件を満たせず、変身しません。起動型能力の解決が終わったら、さきほどのマッドネスの誘発型能力をスタックに積みます。
マッドネスの誘発型能力の解決時に、追放されたそのカードを、マッドネス・コストで唱えることができます。これは能力の解決中に唱えるので、通常のタイミング--例えば、スタックが空であなたのターンのメインフェイズであるときにしかソーサリーは唱えられない--などといったものは無視されます。ですので、対戦相手のターンにマッドネスを持つソーサリーを捨てても、それを唱えることができます。
*両面カード
ルール(202.3b)では裏面は表面の「点数で見たマナコスト」を持つかのように計算するとしか書かれていませんが、大天使アヴァシンのように裏面で色が変わってしまう場合、どの色の信心をいくつ持っているのでしょうか。またそれはどのルールによるものなのでしょうか両面カードについては若干の変更がありました。直感的にわかりづらい変更は、第2面の「点数で見たマナ・コスト」を考える場合に、第1面のマナ・コストから算出する、というものです。
注意すべきは、「第2面のマナ・コストは無い」ということです。あくまで、点数で見たマナ・コストを考える場合のみに、第1面のマナ・コストを考えます。
《大天使アヴァシン》の第2面、《浄化の天使、アヴァシン》を考えましょう。
- 《浄化の天使、アヴァシン》の色は「赤」です。これは色指標によるものです。
- 《浄化の天使、アヴァシン》のマナ・コストはありません。従って色マナ・シンボルを数える場合(信心など)、0になります。
- 《浄化の天使、アヴァシン》の点数で見たマナ・コストは「5」です。従って《燻し》の対象にはできません。
いつもお世話になっております。こちらがヴィルディン群れの頭目2体とガツタフの荒廃者をコントロールしています。ヴィルディン群れの頭目の一方に鏡編みを唱え解決したとき、他の2体のクリーチャーの点数で見たマナコストはそれぞれいくつになるのでしょうか。
第2面になっているパーマネントのコピーになった場合、それが真正の両面カードであったとしても、「点数で見たマナ・コスト」は0です。(CR202.3b)先にあった「点数で見たマナ・コストを考える場合のみに、第1面のマナ・コストを考える」ようなことはしません。
*《サリアの副官》
質問です。<サリアの副官>と複数の人間クリーチャーを<奇妙な幕間>や<集合した中隊>などで同時に場に出した場合、<サリアの副官>の処理はどのようになるのでしょうか?
定期的にある質問ですが、同時に複数のパーマネントが戦場に出た場合、「戦場に出たとき」という誘発型能力は、今しがた出た、それら全てのパーマネントを参照します。
例えば、《サリアの副官》2枚を《集合した中隊》で戦場に出した場合、
・《サリアの副官》A自体の「自身が戦場に出たとき~」の能力
・《サリアの副官》Aの「他の人間が戦場に出たとき~」の能力
・《サリアの副官》B自体の「自身が戦場に出たとき~」の能力
・《サリアの副官》Bの「他の人間が戦場に出たとき~」の能力
の以上4つがスタックに積まれます。
*《氷の中の存在》
《氷の中の存在》のカウンターを《吸血鬼の呪詛術士》で全て取り除いた際、すぐに変身はするのでしょうか。それとも、その後に何かしらインスタントかソーサリーを唱えなければ変身はしませんか?《氷の中の存在》に上にある氷カウンターが他の効果により無くなったとしても、自動的に変身はしません。《暗黒の深部/Dark Depths》とはテキストが異なることに注意して下さい。
《氷の中の存在》の誘発型能力は、解決時に氷カウンターを取り除かなかったとしても、変身は行われます。(もし、氷カウンターを取り除くことが必須である場合、「そうしたなら、」という表現になります。)
*《コジレックの帰還》VS《ドロモカの命令》
墓地にコジレックの帰還が2枚ある状態で世界を壊すものを唱えました。コジレックの帰還の五点ダメージ能力の誘発にスタックで相手がドロモカの命令を唱えました。そのドロモカの命令にスタックで2枚目のコジレックの帰還を唱える事は可能ですか?
墓地にある《コジレックの帰還》が、条件を満たして誘発した場合、それは「呪文」ではありません。これは単なる誘発型能力です。ダメージの発生源も《コジレックの帰還》というインスタント・カードであり、呪文ではありません。
従って、まず、《ドロモカの命令》を誘発型能力を対象に唱えること自体ができませんし、誘発型能力による5点のダメージを軽減することもできません。
*《面晶体の掘削者、ザダ》
自分の場に《面晶体の掘削者、ザダ》《銀毛の援護者》、2/2の狼トークンが二体いる時。ザダのみを対象として《模範提示》を唱えた際の挙動を教えていただけますか?
《面晶体の掘削者、ザダ》に関しては、挙動がややこしいのか、それともファン・デッキが作りやすいのか、それとも面晶体に魅せられた人が多くいるのかがわかりませんが、とにかく今でも質問が来ます。
ほとんどの質問は、《面晶体の掘削者、ザダ》の挙動自体を理解していないことに由来するものです。
キーポイントは
- 誘発するのは「《面晶体の掘削者、ザダ》のみを対象とした呪文が唱えられた」ときです。支援能力などで他のクリーチャーも対象に取っていた場合、そもそも誘発しません。
- 誘発型能力の解決時に、《面晶体の掘削者、ザダ》以外のあなたのコントロールするクリーチャーを対象にしたコピーが作成されます。《余韻》などとは異なり、対象を変更することは書かれていないので、対象を変更することもできません。
- コピーは対戦相手のクリーチャーや、対戦相手には作成されません。《面晶体の掘削者、ザダ》にダメージを与える呪文を唱えるのは、あまり良くない試みでしょう。
挙動をまとめたスライドは以下にあります。
https://docs.google.com/presentation/d/1AW0I_RZxfbZzF0bfXpIjHYyK6acis3aU0mQwfHi_kUw/edit?usp=sharing
*《祖先の幻視》
束縛なきテレパスジェイスや瞬唱の魔導士で祖先の幻視を対象としたときに0マナで唱えることはできますか?ジェイスの場合は幻視を待機させることができますか?
モダン構築戦で《祖先の幻視》が解禁されたことにより、ぽつぽつと質問が寄せられるようになりました。以下は、《祖先の幻視》にかぎらず、「マナ・コストを持たない、待機能力を持つサイクル」(《死せる生/Living End》など)全般に言えることです。
- マナ・コストが無い場合、それは「支払うことができないコスト」を指します。(CR117.6)
- 「支払うことができないコスト」を持つ呪文を唱え始めることはできます。が、コストの支払いの時点で「支払うことができないコスト」を支払うような場合、それはできないので、唱えることを完了できません。結果として唱えることはできません。
- 待機能力を使用するには、
- そのカードが手札にある。
- あなたがこのカードを手札からスタックに積むことで唱え始めることができる。
という前提のもと使用できます。待機を行う行動はスタックを使わないことにもご注意ください。
一方で、「マナ・コストが無い」呪文を唱えるためには、支払うコストを代替コストにしてやればOkです。よく使用されるのは、「マナ・コストを支払わずに唱える」という効果を用いることです。まれに《太陽の拳/Fist of Suns》のようなものもあります。
*《もう一人の自分》(難)
質問です。よろしくお願いします。
《もう一人の自分》をX=2で唱え、戦場の《果てしなきもの》のコピーとして戦場に出す場合、結果として《もう一人の自分》はいくつの+1/+1カウンターが乗った状態で戦場に出ますか?
旧CRでは答えが出なかった質問です。
通常、あるオブジェクトにXが複数含まれる場合、そのXは同じ瞬間には同じ値を取ります。
《もう一人の自分》が戦場に出る際に、《果てしなきもの》のコピーとなるとともに、追加で+1/+1カウンターを2個置かれた状態で戦場に出ます。
しかし、《果てしなきもの》には「果てしなきものは、+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。」という置換効果のテキストがあります。実際に《果てしなきもの》が唱えられたわけではないので、このXは未定義です。未定義のXは0になるべきですが、大元の《もう一人の自分》のXは2でした。さて、この瞬間にXはどの値を見るべきでしょうか? ……この部分のCRが改訂されました。
107.3h 通常、あるオブジェクト上にXが複数ある場合、その値は、同じ瞬間には同じ値を取る。オブジェクトが能力を得た場合、その能力に含まれるXの値はその能力によって定義される。その能力が定義していない場合、0となる。
この場合、「果てしなきものは、+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。」にあるXは、能力によって定義されていません。従ってXは0です。
最終的に、戦場に出た《もう一人の自分》は、+1/+1カウンターが2個置かれた状態の《果てしなきもの》となります。
----
次回は4月11日~4月20日分となります。